モモ「弥生賞のファウストラーゼンのマクリは凄かったわよね」
ケン「お見事だったな」
モモ「ケンさんはマクリ競馬を結構見て来たんでしょ」
ケン「おお！見たよ」
モモ「あれってやれば勝つ訳？」
ケン「いやいや、ほとんどが直線で捕まって万事休すさ」
モモ「ええっ！そうなの？」
ケン「そうさ、ラーゼンのように決まるケースは稀だぞ」
モモ「何か格好良いのでやれば勝つのかと思ったわ」
ケン「だったらみんなやるだろ」
モモ「そうよね」
ケン「あそこで脚を使うという事は最後の脚に影響する馬がほとんどだ」
モモ「でも向う正面でスイスイ追い抜いて上がって行く姿は惚れ惚れするわ」
ケン「ゴボウ抜きだもんな」
モモ「あれって何でゴボウ抜きって言う訳？」
ケン「畑でゴボウを抜くところを見たことが無いのか？」
モモ「無いけど想像は付くわよね」
ケン「ズボズボっと見事に抜ける訳さ」
モモ「見事に抜くってところにかかってる訳ね」
ケン「そうさ、昔、根本(現調教師)がブリザードって馬でマクリ競馬を決めた姿に感動したもんだ」
モモ「根本調教師って菜七子ちゃんの師匠でしょ」
ケン「マクリを教える前に引退しちゃって残念だな」
モモ「菜七子ちゃんがマクリ競馬をやってる姿を見たかったなぁ」
ケン「菜七子のヘルメットから風になびく後ろ髪と競走馬の風になびく尻尾が鯉のぼりのように華やいだだろうな」
モモ「マクリ競馬が盛り上がっただろうね」
ケン「マクリの菜七子なんてニックネームは味があるぞ」
モモ「いいわねぇ」
ケン「オレが得意だったのはスカートマクリだったけどな」
モモ「それを言うならスカートめくりでしょ」
ケン「同じようなもんだろ」
モモ「ケンさんにだけはマクられたくないわ」
ケン「バカ言え、オレにマクられたら病みつきになるぞ」
モモ「どういうコト？」
ケン「マクられる喜びを味わえるってコトさ」
モモ「マクられる喜び？」
ケン「おお！猛烈！」
モモ「古すぎる」