ガミ「1番のボルドクフージュはどうっすか?」
オレ「内側の1枠空けて2番目の枠に入るんだけど馬は入らないから音はストレートに聞こえる」
マスター「それに反応して飛ぶんだな」
オレ「多分、内側に飛ぶ」
ガミ「内側は馬がいないっすからアクシデントには成らないっすね」
マスター「それでもどんな飛び方をするかでクフージュのレースには影響があるだろ」
オレ「2番のホウオウビスケッツはスタートが抜群に上手いから左に飛んでもスペースはあるぞ」
ガミ「あと問題を起こしそうな馬はいるっすか?」
オレ「6ジャスティンパレスと9コスモキュランタだな」
ガミ「ええっ!そんなにいるっすか」
マスター「このレースを『スタート下手コンテストレース』に任命いたします」
ガミ「何勝手に宣言してるんすか」
オレ「まっそのくらい豊富なスタート下手技術が見られるってコトさ」
今夜のスナック・パドックは大阪杯の話題で盛り上がった。マスターは「一体どうなるんだ?」とやや呆れ顔である。3杯目の生中を半分まで飲み干したガミは「思いっきり荒れて欲しいっす」程良く赤みがかった頬を欲の塊りでだらしなく崩している。「天気予報を見ると良馬場は期待出来ないかもな」オレは着目点を大きく切り替えた。「渋った馬場は誰が上手いんだ?」マスターはペースト状のサツマイモにバターとクリームチーズを練り込んだ自家製サツマイモきんとんをカウンターに置きながらニコリと笑った。どうやらこちらも欲の皮を突っ張らせかけている。「ヨーホーレイクやベラジオオペラやホウオウビスケッツなんかは上手いんじゃないっすか」ガミがnetkeiba馬柱の馬場指数を見て答えると「シックスセンスやステレンボッシュは渋った馬場で走った経験が無いからな」オレはデータ不足を残念に思っている。「芦毛がいないし俺は見(ケン)かなぁ」ガミがボツンと呟く。「お前がそんな洒落た行動を取れますか?」マスターはお見通しである。本日オレが飲むジャックダニエルのハイボールは「混沌」の味がした。スタートで何かが起こると思われるレース、雨の降り具合が大いに気になる馬場状態で得手不得手を見極めなければならないレース、ドバイ遠征で主力騎手が留守となり慣れない騎手に鞍上を委ねるレース・・・と混沌を絵に描いたようなレースになりそうである。
・・・続く・・・
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