「そうだ、この七味を使ってくれよ」マスターは自慢の七味唐辛子を置いた。その袋には「みよこの七味・香るバージョン」と書かれてある。オレとガミはペコリとこうべを垂れるとすぐにどんぶりに口を付けて汁をすすった。「んまぁ!」この季節の豚汁は心を温めてくれる。そして自慢の七味唐辛子のみかんの香りが豚汁のグレードを数段階上げている。「何これ」ガミは感激して少し涙目になっている。「幸せだなぁ」心の底から出た正直な感想である。「頑張ったベラジオオペラとヨーホーレイクに食べさせたいっす」ガミは優しい。「邪魔したロードデルレイには七味だけ食わすことにするか?」マスターはそう言って茶化す。「ダメっす、この七味は勿体なくてやれないっす」ガミらしい見解である。本日のスナック・パドックには豚汁の肉の甘さが香って暖かい風が漂っている。もうすぐ今年のクラシックレースが始まる。きょうのこの店の穏やかな雰囲気のようなレースを期待することとする。出走する馬たちに告ぐ「良い走りをしたら豚汁を食わしてやる」多分この情報は届かないが、豚汁の甘い香りは美浦と栗東のトレーニングセンターには届くはずである。何せサラブレッドは人間の約1000倍の嗅覚を持っているというのだから・・・。とにかく頑張ってくれ!出走馬たちよ!
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