その馬は、どこか他の馬と違っていました。
初めて間近で見たのは、オークスの時でした。
それまではテレビで見ていましたが、
直にパドックで見た時に、どこか他の馬と違ったのです。
端正な顔立ちと、大きな瞳。
引き締まった体と筋肉。
でも、その馬に惹かれる理由は外見だけではなく、内から溢れ出す熱を感じたからです。
その年の牝馬はとにかく強くて、
ラッキーライラックやリリーノーブル、
マウレアやサトノワルキューレ。
皆、立派な体をしていて迫力がありました。
ただ、その馬から放たれる眩いまでの輝きを持った馬はいませんでした。
その馬の名前はアーモンドアイ。
のちの9冠馬です。
アイちゃんは、次々タイトルを我が物にし、圧倒的な強さと、それでいてキュートな顔立ちで、実力・人気共に頂点に達しました。
歴史的記録も樹立し、競馬界に永遠に
名前を残すでしょう。
そんなアイちゃんですが、
私には2つの感慨深い思い出があります。
ひとつは安田記念。
アエロリットと一緒になりましたが、
輪乗りしている時に、アエロリットが真ん中にいるのです。
そしてアイちゃんを気にしながら、
他の馬がきちんと回らないのをまるで注意するかのように仕切り始めたのです。
「はい、アイちゃんのそばから離れて」
「そこ、きちんと回って」
なんて声が聞こえてきそうでした。
馬関連のイラストや創作マンガを見ると、アイちゃんとアエロリットが親友という設定が結構ありますが、
細かく見ていると納得がいきます。
競争世界で疲れていたアイちゃんも、
アエロリットと一緒だと、
身も心も元気になったのではないでしょうか。
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