もうひとつは「純粋に走るのが大好き」ということ。
馬場入場の時、テンションがやけに高くなります。
厩務員さんの引き綱を、早く外せと言わんばがりに、それまで落ち着いていたアイちゃんが暴れだすのです。
その理由はただ一つ。
アイちゃんは走りたいだけ。
根っから走るのが大好きなんです。
もしかしたらレースとかの感覚ではなく、
「走れる。走りたい。」
ただその欲望を満たしたいだけなのかも知れません。
これは最後のJCの時もそうで、
水を得た魚のように引き綱を外した瞬間にターフに消えて行きました。
「ああ、そうか。この仔は走るのが大好きなだけなんだ。」
私はそう思うと、なんだか心がじんわり熱くなり、その時点で勝利を確信しました。
アイちゃんの引退。
まだ信じられないです。
本人も、まだまだ走るつもりでしょう。
「次のレースは何?」とか、国枝先生に聞いてるかも知れません。
私は、引退することでアイちゃんが自由に走れるようになるので、喜ばしいことなんだと感じています。
だって、牧場でアイちゃんが他馬の誰よりも早く走って、丘の上に行き、草を食み、大きな瞳で夕陽を見ている姿が
あまりにも簡単に想像できてしまうのですから。
一言、声をかけることができるなら
「ありがとう。これからは自分のために走るんだよ。」
と言ってあげたいです。
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